有限会社赤塚製作所

φ550までの円筒・フランジ複合加工 岐阜県の金属機械加工なら赤塚製作所
058-273-6185    FAX 058-273-6381               ▶ ENGLISH

トップ > 個人のお客様 > ワンオフ クランクプーリー製作について・事例集 > ワンオフクランクプーリーが出来るまで④

赤塚社長のワンオフ講座

ワンオフ クランクプーリー素材について

最近プーリーのお問い合わせをたくさん頂くのですが、その際に必ず素材の選定のお話になるので、
今回は参考までに素材についてお話させて頂きたいと思います。
大変長いですが、興味のある方は読んでみてください。

よくお話に出るのが、鉄にするのか、アルミにするのか。
わたくしとしては、用途により選んでもらえれば良いと思います。

修理、補修など、長く車を乗って頂くのであれば、断然「鉄」です。
レースなどの用途であれば、「アルミ」で良いと思います。

しかし、ファッションで「アルミ」は厳禁です。
その理由としては、 純正のフライホイールとのバランスを考えれば、純正重量に近いもので製作するのが良いからです。
クランクシャフトの親メタルへの影響もすくないでしょう。
では、トーショナルダンパーがなくなるのは影響ないのか?影響は多少あると思います。
しかし、車業界の方で「トーショナルダンパーを殺したら、どれくらい振動が増すのか?」 という実験をされて論文を出された方の
お話を聞いたことがありますが、ほぼ出なかったそうです。
とはいっても、直6エンジンだったらしいので、元のバランスが良いこともありますが・・・
気になるのは「強い」、「弱い」ではないでしょうか。 強度とは、引張強さのことを言います。

参考までに(JIS規格)
S45C マルN(焼きならし): 570N/mm2
鉄 マルH(調質): 690N/mm2
A2017(ジュラルミン)T4材: 410N/mm2
A7075(超々ジュラルミン)T6材: 530N/mm2
です。
 
よくA7075(超々ジュラルミン)は鉄に匹敵すると言われますが、この数字を比べると、確かに鉄に匹敵します。
ですが、あくまでこれは強度の問題です。これに付け加え、考えなくてはいけないのは、剛性です。
剛性とは、素材をどこまで曲げれるか、ねじれれるか、といった感じでしょうか。ここまでは曲げても元に戻りますよ、というイメージです。
剛性=ヤング率ですね。ではヤング率はどうか。

S45C (鉄)マルH(調質): 205GPa
A2017 (ジュラルミン)T4材: 69GPa
A7075 (超々ジュラルミン)T6材: 72GPa
と、いうことなんです。

参考までに、材料密度に関しては、
S45C: 7800kg/m
A2017: 2800kg/m
A7075: 2800kg/m

アルミの重量が鉄の1/3と言われる所以です。
一般的に強い、弱いという話をするのは剛性のことなんですね。 A7075が鉄に匹敵するのはあくまで強度であって、剛性ではないのです。
同じ剛性をだそうと思えば約3倍の厚みにしないといけないということなのです。
じゃあすべて鉄にしたら、強度も剛性も高い車ができるじゃないか! (二昔前の車がこんな感じでしょうか) となりますが、
非常に重たい車になってしまいます。
今のご時世、燃費は大きな課題ですので、軽量化というのは大きな要素です。
メーカーさんが、非常に賢い頭を練りに練って出てきたのが「純正」といわれるものです。
材料は適材適所で使い分けていくのが、良いと思います。しかし、これをこうしたらどんな風に変わっていくのだろうと感じていくのが
カスタムの面白いところだと思います。
わたくしも純正崇拝者ではないので、たとえバランスが崩れて、リスクが高くても、 カスタムを楽しみたい一人です。
ただし、ことクランクプーリーに関しては、純正バランス(エンジンチューニング済みであれば別ですが)が一番良いと思います。

非常に長くなりましたが、参考になったでしょうか。
カスタムライフを楽しみましょう!! ではまた。

赤塚製作所 赤塚


戻る
ページのトップへ戻る